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綸言如汗~でも言っちゃった~

公開日:2017/12/20

政治経済担当の泉澤です。

タイトルの「綸言(りんげん)汗の如し」とは、「一度かいた汗が体に戻らないように、天子が一旦発した言葉は取り消したり訂正することができない」ことを意味する中国の格言です。政治に携わり、国家・国民を導く立場にある人の発言は、かように重く慎重であるべきなのです・・・が、そこは政治家とて人の子、ついうっかり口を滑らせる、なんてこともあるわけです。今回はそんな名(迷)言集を紹介します(敬称略)。

1.「貧乏人は麦を食え」(池田勇人)

池田勇人は第58・59・60代内閣総理大臣。「所得倍増論」を提起してわが国が経済大国となる道を拓いた人物です。当時大蔵大臣だった池田は、「所得の少ない人は麦を多く食う、所得の多い人は米を食うというような、経済の原則に則った方向にしたい」と述べたに過ぎなかったのですが、翌日の新聞が「貧乏人は麦を食え」をタイトルとして大きく扱った結果、各方面から批判を浴びることになりました。蔵相に抜擢されたとはいえ、当時の池田はまだ1年生議員でしたから、政治家としてはまだ発言の重みを認識していなかったのかもしれません。もっとも、この後の池田は、「中小企業が倒産することがあっても仕方がない」「企業の倒産によって自殺者が出ることになってもやむを得ない」との発言も行い、物議を醸しています。なお、池田のこの発言以後、池田家では麦飯が必ず食卓に上がったそうです。

2.「バカヤロー」(吉田茂)

吉田茂は第45代、第48~51代内閣総理大臣。サンフランシスコ講和条約の調印を始め、激動の時代に卓越したリーダーシップを発揮して戦後のわが国を導いた人物です。問題の発言は、衆議院予算委員会で、社会党議員との質疑応答中に発したものです。と言っても、相手に対して面と向かって大声で発したのではなく、吉田が席に着きつつ非常に小さな声で「ばかやろう」と呟いたのを、偶然マイクが拾い、気づいた議員が聞き咎めて騒ぎが大きくなったというのが真相です。吉田はすぐにこの発言を取り消し、相手議員もそれを了承して一件落着のはずでした。しかしこの失言に社会党は内閣不信任案を提出、当時の自由党内の権力闘争も重なって不信任案は可決、衆議院解散へと至ります。世に言う「バカヤロー解散」です。

3.「無党派層は寝ててくれ」(森喜朗)

森喜朗は第85・86代内閣総理大臣。森の首相就任は、前任者の急病を受け、当時の自民党有力議員の密室での談合によって決まったともいわれ、国民からの人気は決して高いものではありませんでした。そのような中迎えた衆議院総選挙の選挙演説での発言がこれ。結果は自民党の惨敗、まさに寝ていた子供を起こす結果となりました。森自身は、「無党派層が『関心ない』と言って寝ててくれたらいいが、そうはいかないから、しっかり頑張らないといけない」と言いたかったらしいのですが、やはり一国の総理が政治や選挙に無関心であるよう促すにもとれる呼びかけをすることは、問題発言として取り上げられても仕方ないでしょう。

 

いかがでしたか。政治家に限らず、われわれは言葉によって相手との意思疎通を図ります。自分の真意が正しく伝わるよう、言葉は慎重に選びたいですね(写真は池田勇人元内閣総理大臣)。

 

(泉澤俊一)

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