問題[T] 数学A確率・数学B等比数列の和・数学U指数不等式の融合問題
確率は取り出した球を「戻すとき」と,「戻さないとき」では式の作り方が変わってくるが,この問題で共通して言えることは,「順序の入れ替えも考える」ことである.戻すときはもちろん何回目であっても赤玉や白玉を取り出す確率は変わらないが,戻さないときも,何回目に赤玉が出るかという順序の入れ替えを考えても4回全体の確率は同じになることに気づこう.(5)のように,確率の和を求めるのに数学B数列の公式を使ったり,最小のkを求めるのに,両辺の常用対数をとって,kの1次不等式を作る問題は,数学Aの教科書には出てこないが入試では頻出であるから,解法も当然気づくべきである.
問題[U] 数学U三角関数と図形の問題
∠POQが90°であることに気づいた受験生は多いだろうが,OAがx軸となす角が75°であることに気づいた受験生は少ないかもしれない.いずれも気づいた人はあっという間に解ける問題である.点Aは直角三角形OPQの内部(または斜辺上)にあることがわかっていないとS(t)の式が解答欄に合わなくなるので注意しよう.最大値は,sin( )が最小で−1になるときであることは明らかだ.
問題[V] 数学U微分と接線・面積と定積分の問題
この分野の問題は,問題[U]のように気づいた人だけが速く解けるということがなく,正しい解法をきちんと身に付けた人が確実に得点できる「裏切らない分野」である.丁寧に図をかいて,正しい式を作り慎重に計算すれば難しいことはない.
ただし,面積S(a)を求めるときは,公式

の使い方がわかっていないと求めるのは困難だろう.(3)の後半のような問題は,センター数学UB本試験では出題されていないが,国公立大2次試験では頻出の問題だから解き慣れている受験生にとっては難しくはなかったと思われる.
総評
例年通り,出題分野は数学A確率と数学Uが中心であるから,過去問を研究し,国公立大2次試験レベルの問題演習をしていた人は得点しやすかっただろう.特に,問題[V]のような,数学Uの微分・積分の問題は確実に得点できるようにしてから受験するのが望ましい.本大学が第一志望校である人も,センター数学の問題研究はもちろんのこと,国公立大2次試験レベルの問題演習をしておくことが合格への近道である.